ひょんなことから変なものを作ってみたくなるものです。何に使えるのかよくわかりませんが。
まず これ を買ってきます。
この消臭芳香剤、単三電池2本で動き、光センサーやタイマーなど多機能でマイコン内蔵のすごい装置なのですが、500円程度で買えます。しかも単三電池2本も付属しているというかなりお得なものなのですが、外部から制御できるわけではないので何やかんやに繋いで遊ぼうと思うと出来ません。よく出来ているが故にHackableじゃないのです。
参考までに内蔵のマイコンを活かしたままで外部からスプレーさせたい場合には基板上のTP7をGNDに落とせば手動でボタンを押したのと同じことになるので制御できます。自力で回路を作れる場合には、ここをトランジスタ等でGNDに落とす(Lowにする)回路を作れば制御できます。
ただし内蔵のマイコンを活かしたままだと一定時間での自動スプレーや光センサーによるスプレー等は効いたままになるので、フルコントロールというわけにはいきません。付いている回路を使わないというのは勿体ない気もしますが、優れているのは回路だけではなくスプレーのメカニズムもなので、内部の回路を入れ替えてしまい、Grove対応にしてしまおうというのがこのキットです。これでFull Hackableになります。
当然の注意ですが市販品を改造するので、あくまでも自己責任で。
Grove対応とは言え、単にGroveコネクタで接続されるモーターコントローラーです。Groveコネクタの5Vを3Vに降圧しMOS-FETでモーターをON/OFFするだけの簡単な回路です。一番のポイントは「ガワ」にちゃんとおさまる基板です。
R1: 2.2kΩ
R2: 2.2kΩ
R3: 22kΩ
R4: 150Ω
C1: 0.1μF 積層セラミック
C2: 0.1μF 積層セラミック
C3: 47μF 電解
C4: 47μF 電解
D1: シリコンスイッチングダイオード
Q1: N-MOS FET
LED1: 3mmφ LED
IC1: NJM2845-DL1-33
J1: Groveコネクタ(2mmピッチコネクタ)
電解コンデンサ、LED以外は一般的なように基板表面から挿し込んでハンダ付けしてください。
電解コンデンサは基板裏面から挿し込んでハンダ付けします。
LEDはケース前面ののツラ位置とあうように足の長さを残してハンダ付けしますが基板面からLED先端までの距離が18mm程度になるようにします。
裏ブタを外し、ネジを4本外すとケースの前面が取れます。この時、ギアを落とさないように注意して前面を外してください。もっとも、ギアを落してしまっても元の位置に戻すのは難しくありませんが。
もとの基板から赤黒の配線(モーター)を基板から外し、基板を引き抜きます。2箇所の爪で押さえられているだけですので基板は簡単に外れます。外した基板は大事に取っておきましょう。何かに使えるかもしれません。
本キットの基板を装着し、モーターを配線してください。3ピンパターンになっている箇所の上側がプラス、1ピン開けて下がマイナスです。
前面ケースの押しボタンを取り外しておいてください。この穴をケーブル通しに利用します。慎重にケース前面を戻してネジを締め戻して固定します。もともと光センサーがついていた穴からLEDが出るようになります。
ボタン穴からGroveケーブルを挿し込めばGrove対応化が完了です。
とても簡単です。概ね0.4~0.5秒間、モーターをONにすると1回スプレーするのでGrove Pi等で制御する場合にはポートをその間オンにするだけです。例えばPythonでは次のように書くだけです。この例ではD5に本機を繋いでいます。
#!/usr/bin/env python
import time
import grovepispray = 5
grovepi.pinMode(spray,"OUTPUT")
grovepi.digitalWrite(spray,1)
print ("Spray")
time.sleep(0.4)
grovepi.digitalWrite(spray,0)